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脱出せよ【黒子のバスケ】

第8章 復讐


「咲姫ちゃーーーーんっ!」


フラフラしながらなんとか立つと

さつきちゃんが私に突撃してきた。


「うえぇ~ん良かったよぉー!すっごく心配してたんだからっ!」


半泣きで私に抱きついてきたさつきちゃん。きっと、すごくすごく心配してくれたんだろう。


「久しぶりだな桃井。」

「あ!虹村さん…。虹村さんもここに来ちゃったんですね……。」

「まぁな。目が覚めたらこいつがいたんだよ。」

「そうなんですか…。あれ?君は?あなたもここに来ちゃったの?」


さつきちゃんはかがんで佐藤君と目線を合わせた。


「あ、さつきちゃん。この子はね……」

「うン…。お家で寝てたらここにいたんダ…。」


待て待て待てーーーーーーっ!?

佐藤君!?何の嘘!?待ってこれは突っ込ませて!


「かわいそう!こんな男の子まで…!何歳なの?」

「………7歳」


いやいや待って!?何を年齢詐欺してるの!?どう見たって君、小学校高学年でしょ!?


『アー、ア、ア、アー!聞こえてますカー!?』


ふと耳にそんな声が木霊した。


『心配しないデ!テレパシーだかラ!』


テレパシーできるんだ!?ハイスペックすぎるでしょ君!


『…ハイスペックはおいといテ。僕の事情を話すのはめんどうなことになるから話さないでおくヨ。

それに僕は7歳だヨ!ちゃんとした7歳だヨ!ちょっと成長期が早かっただケ!

大きなお兄さん理解できましたカー!?』


どうやらテレパシーは虹村先輩ともつながっていたらしい。それを最後に声は聞こえなくなった。

確かにここで佐藤君の事情を話すよりはごまかしたほうがいいかもしれない。


「お名前は?」

「佐藤香太郎。」

「この包帯どうしたの?」

「僕、学校で階段から転んじゃって。それで怪我したから。」

「そうなんだ~。」


さつきちゃんとの会話が名演技だ。名演技すぎた。包帯のことは知らないけど名演技すぎる。


「桃井、他の奴らもいるんだろ?どこいったんだよ。」

「さっき戻ってきたんですけどまたすぐ探しに行っちゃって……。すれ違ったみたいですねー。」


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