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脱出せよ【黒子のバスケ】

第8章 復讐


「うし。あんまあれ見ないように慎重に行くぞ。」


…あんな何回も殴ってたのに虹村先輩には返り血一つない。いや、あったら嫌だけど。

慎重に歩いて職員室から出る。ホッと一安心。


「咲姫お姉さン。腕、大丈夫?ごめン…僕がボーッとしてたかラ…。本当ならあんな奴倒せるの二…。」


本当なら倒せちゃうんだ……!?


「あ、いや、うん。気にしないで気にしないで。私が料理したときの傷と比べればなんてことないから。」

「いや、ある意味比べものになってないだろ。こっちの方がやばすぎるだろ。腕見せてみろ。」


と虹村先輩が右腕をつかむ。


「…血が出てんな。場所的に俺が治療したらやばいし…。はやいとこ体育館行って桃井に頼むか。」

「となれば飛ぶしかないカ…。」

 
佐藤君は私の方をチラッと見た。


「うン……。まぁ大勢で飛べば反動は分担されるカ。でもそしたら疲れるなァ。」


しばらくあーだのうーだのうなっていたがやがて結論をだした。


「飛ぶヨ。体育館に丁度皆集まってるみたイ。君を探してあちらこちらに探索行ってたみたいだけド。」


それを聞いてびっくりした。


「赤司とか発狂してなきゃいいけど…。」

「え?征十郎が?どうしてです?」


ただ純粋に疑問だったのだが虹村先輩は思いっきりため息をついた。


「なんカ………よくわかんないけど行くヨ。」


次の瞬間には、私達はそこにいなかった。


※※※※※※


「あ、これ確かにしんどいわ。」

「頭クラクラする…。傷すごい痛い…。」

「えェ!?二人しテ!?わぁァ!咲姫お姉さぁぁぁぁン!!!!!」


体育館に到着すれば本当にふらっときた。

それを懸命に支えてくれる佐藤君。


「ふんヌ……ぐぐぐぐぐグ!しっっかりしてっっっッ!何が大丈夫だよどこが大丈夫だよ大丈夫の意味知らないの辞書ひいたことないノ!?!?」


一息でそう言われあは面目ない。

だがそんな佐藤君の努力かなわず


「ごめん限界……!」


佐藤君がパッと手を離した。

倒れる!と思えば虹村先輩が支えてくれた。


「あー…クラクラすんなこれ。」


あの虹村先輩でもきついらしい。
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