第7章 衝撃的
「どういうことだ…?」
「あの文字、なんか意味があったの…?」
「うン。……まずこの施設について説明する必要があるかナ。」
と、佐藤君が言うので虹村先輩は床にドカッと座った。
「長くなりそうだな…」
「うんざりした顔やめてもらってもいいかナ!?」
せっかく説明してあげよーとしたのにサッ!と佐藤君はほっぺを膨らませてあからさまに、怒っていた。
「ここはネ。人の欲望のたまり場なんだヨ。」
だが次の瞬間には床に座って話し出したので私と虹村先輩はずっこけた。
「しゃべんのかよっ!」
「何のフェイク…!?」
突っ込んでも仕方ないと思い大人しく私も座る。
佐藤君もあぐらをかこう……としてできず体育座りをした。
…なんかこの子可愛い
「では改めテ。ここは人間の欲望のたまり場なのでス。」
「欲望?」
「人間なら欲望は必ずもってまス。幼稚園の子のぬいぐるみ欲しい!とか老婦人のダイヤモンドが欲しい!とか。物を欲する望ミ。」
なるほど。となっとくするがそれがなんなのだ。という感じがする。
またまた虹村先輩とため息。
「負けるもんカ…!」
ボソッと聞こえてきたので少しかわいそうだった。
「物を欲する欲望と物でないものを欲する欲望。この違いわかル?」
とっさに聞かれてドキッとした。あ、でもなんかわかる……?
「才能とか…100点とれる頭脳とか…?」
「正解。つまり嫉妬。ここでは嫉妬のうえで成り立つ欲望がたまってル。
例えば足の遅い人は速い人が羨ましい。そして嫉妬する。最終的にはあの人の運動神経が欲しい、と思ウ。」
私と虹村先輩はまたまたまた顔を合わせた。
先輩と私は体育会系で運動はできる方だからよくわからない。
でもそんなささいな欲望がここにたまっているのだろうか。