第7章 衝撃的
「信じてない顔だネ。」
と、佐藤君は笑った。悪魔のような笑顔だった。
「死んでるって……幽霊なの?」
私がそう聞くと佐藤君は虹村先輩の脇をくぐって私に急接近してきた。
私の手をギュッと握る。
驚くほどに冷たかった。人間としての体温なんて感じられない。
「どウ……?どんな感ジ?」
そこで虹村先輩が佐藤君の腕をつかんで私の手から離した。
「冷たい手してんなお前。冷え性か?」
「………空気読めない人なノ?このお兄さン。」
そう言った佐藤君を先輩はペシッとたたいた。
「うっせ。でお前はなんなんだよ。」
「暴力的だナ。ま、とりあえずお助けキャラってことデ。」
肩をすくめた佐藤君はずいぶんと様になっている。
「お助けキャラ?」
「そ!じゃあなんか質問してきテ!なんでも答えるかラ!」
はやくはやく!と言わんばかりにその場で足踏みをしだす。
虹村先輩と目を合わせる。
どうする?どうします?
お互いの目でそう語った。
「んー、じゃあ化け物に襲われない方法。」
半ば投げやりに虹村先輩が聞いた。
「うン!知ってるヨ!」
「え、知ってるの!?」
絶対答えないと思ったのに…!
「あの化け物達が襲ってくる原因はズバリ!残念ながら咲姫お姉さんだヨ!」
「えぇーーーーーっ!?何のジョーク!?犯人はあなただみたいなどや顔されてもさー!?」
完璧などや顔だった。虹村先輩と再び顔を合わせれば駄目だこりゃ、とばかりにため息をついた。
「いやいヤ、冗談ぬきだヨ?ここにいる化け物はみーんな咲姫お姉さんを狙ってるヨ?お姉さん、音楽室で見たんでしョ。あの文字。」
音楽室、といえばあの文字。
ツギハオマエダ