第7章 衝撃的
「ここはもともと孤児の施設だったんダ。廃校になった小学校をそのまま利用してネ。僕はその施設にいた孤児の生き残リ。」
すると佐藤君は虹村先輩と私の手を握ってきた。
相変わらず、手は冷たい。
「ちょっとごめんネ…。ここからは僕の記憶を見てもらうヨ…。」
パァァァ…と光が広がる。
それは私達をおおっていった。眩しさのあまり目を閉じた。
※※※※※※
「もう目を開けてもいいヨ。」
「うぉ!?なんだここ!?」
「ひぇぇぇぇーーーーっ!?か、かかか体がすけてるーーーーーっ!?」
「…うるサー。」
目を開けば窓からポカポカとした日差しが差し込む音楽室だった。
職員室にいたのになぜ!?と思うがそれ以前に自分の体だ。
スケルトンなみにすけとる。あ、内蔵が見えるとかそういうすけるじゃないよ?幽霊の足的な感じ。
「ここどこだよ!」
「僕の記憶の中。どうやったのとか聞かないでよネ。僕自身わかんないんだかラ。
この記憶の中じゃ僕らの声は届かないし姿も見えないし物にもさわれないからあまり気にすることないヨ。」
と言われたが気になるものは気になる!
『香太郎君、やっぱりここか。』
『あ、先生!』
声がしてとっさにその方向を見る。
そこにはピアノの下で本を持っている佐藤君と白衣を着た男の人がいた。
今と何一つ変わっていない佐藤君だが左目の包帯がなかった。
「白衣を着ているのは先生、ここに住む孤児の面倒を見てる人。孤児は僕を入れて5人かナ?建物の割に少なかったの覚えてル。
僕はなかなか馴染めなくて図書室から本借りてきてよくここで読んでたヨ。先生以外誰も来なかったシ。」
ピアノの下が指定席だったらしい。
窓からの日差しで先生とやらの顔が見えない。音楽室から佐藤君の手を引いて出て行くので慌てて三人で後を追う。