第6章 トリップ
「で、ここどこだ?」
「この部屋、職員室みたいですね…?」
目の前にある扉の横にはプレートに『職員室』と書いてあった。
「で、開かねーのな。」
先輩が扉を開けようとするが開かない。
ガンッ
「へ…?」
ガランドッシャーン!
鈍い音がしたと思えば扉が見るも無残な姿でぶっ壊れていた。
近くには綺麗に足をあげている虹村先輩。
「け、蹴ったんですか!?」
「まーな。おー、開いた開いた。」
この人いれば鍵いらないじゃんっ……!?
「職員室なら鍵くらいあんだろ。ん?どうした、突っ立ってないで早く入れよ。」
「…ハイ。ワカリマシタ。」
思わずカタコトになってしまった。
中は普通の職員室。
……職員室の普通って何ですかね。でも職員室って検索して出てくる画像的な感じだ。
ただ…
「なんかつい最近まで誰かがいたみたいになってますね…」
「だな。ポットなんかお湯が入ってやがる。パソコンの電源も入ってるし…」
「あーっ!お菓子がありますよっ!先輩!」
私お腹ペコペコだったんだよねっ!誰のかわからない机のかごの中にチョコパイが入っていた。
パクリ
「あー!お前何食って…!いけないものだったらどうするんだよ!?だせっ!」
「フォォォォォーーーーーッ!?」
「ど、どうした!?」
「めっひゃおいひい………!!!!!」
「そりゃよかったなっ!!!」
虹村先輩は怒ってたけどどこかホッとした様子だ。
「ふぁい?」
「いやぁやっと笑ったなーって。」
「?先輩も食べまふ?」
「いい。つか飲み込んでからしゃべろ!」
あ、すみません。
ゴクンと飲み込んだ。