第9章 *7*
まだ、女型の巨人の攻撃をかわしながら必死に戦っている。再び、エレンは親指の付け根を口元に持って行く。それを見ていたペトラが声を掛ける。
「エレン…信じて。」
ペトラの必死な瞳を見たエレンの動きが止まった。そして、エレンの脳裏に調査前の出来事を思い出す。
──お前を半殺しに留める方法を思いついた。
リヴァイがそんな事を言い始めると、エレンは、はい?と言葉を返してしまった。リヴァイは、右手にチョークを持ちエレンに説明し始める。
突然と言われたエレンは、はい?とリヴァイに聞き返してしまう。
「巨人化したお前を止めるには殺すしかなと言ったが、このやり方なら重傷で済む。とはいえ、個々の技量頼みだがな。」
リヴァイが考えたエレンを巨人化から取り出す方法とは、うなじの肉ごとエレンを切り取ってしまえばいいということ。その場合は、エレンの手足が切り取ってしまうという形となってしまう。
「どうせまたトカゲみてぇに生えてくんだろ?気持ち悪い。」
リヴァイは、エレンの方を見ながらそんな事を言う。確かに、リヴァイの言った通りにエレンは、何故かトカゲのように手足がまた生えてくるという現象がある。
リヴァイの話を聞いていたエレンは、ま…待って下さい、と慌てて止めに入ってしまう。
「どうやったら生えてくるかとかわからないんです。何か他の方法は…。」
エレンは、慌てた様子でリヴァイに訴えてしまう。それを聞いていたリヴァイは、睨み付けるように見ていた。
「『何の危険も冒さず何の犠牲も払いたくありません』と?」
「い…いえ。」
「なら腹を括れ。お前に殺される危険あるのは俺達も同じだから安心しろ。」