第3章 *1*
その姿を見たリヴァイ班とハンジは驚きの表情をする。
「あ、あれは…。」
とグンタが言葉を漏らした。
「あれは、人間じゃねぇ……。」
顔を真っ青にさせながら僅かに、足をズル…と引くオルオ。その時だった。キュラの耳がピクピクと動く。音を察知したのだ。
キュラは、リヴァイ班とハンジの方向を見る。それにつられてクロークも睨み付けるように見ていた。
どうやら気づいたみたいで、リヴァイ班から見れば気付かれた。その様子からチッ…と舌打ちをする。
「作戦変更だ。奴らを捕らえるぞ。」
「え?!ほ、本当!やっほーい!」
リヴァイの言葉に、何故かテンションを上げるハンジ。そして、リヴァイ班とハンジはキュラとクロークの前に姿を現す。
勿論の事、キュラとクロークは警戒をし立ち上がる。キュラは、フードを被り直す。
「…お前らは、何者だ?」
「人間に答える義理はない。去れ。」
リヴァイが2人に問い掛ければ、クロークはいつも以上の低い声で言う。キュラはクロークの後ろに隠れるように立つ。
「ねぇ!さっきの耳は何!?どうなってるの!?」
「分隊長、危ないっすよ!」
興奮状態のハンジは、一歩一歩キュラに向かって歩くとオルオが止めようと声を掛けるがそれでも止まる気配は全くない。
その時、クロークが動いた。鋭い爪を立たせて、ハンジに襲い掛かる。それもかなりのスピードで…。咄嗟にそれを避けるハンジは、危ない危ない…と言葉を漏らす。
猫目のクロークが、人に睨み付ければたいてい逃げ出す人は過去に何人もいた。