第9章 *7*
キュラがリヴァイと目が合った時は、僅かに口元を釣り上げていた。それを睨み付けるようにリヴァイは、見ていたのだった。そして、キュラの口が僅かに動いていた。
リヴァイにこう伝えたのだ。……この子は、ボク達が貰う…ということを…。そんな事を伝えている間に、女型の巨人の左手が、回復していた。
「思ってたより、回復が早い……。一気に攻めるしかないみたいだね。」
シーラは、女型の巨人の攻撃を連続的にかわしながらそんなことを言っていた。なんて、クロークが足に力を入れようとした時だった。キュラの耳がピクピクと動く。
遠く…いや、僅かなに近くまで来ているのか、立体機動の音が聞こえてきた。どうやら、応援が来てしまったようだ。
それを聞いたキュラは、チッ…と舌打ちをさせてクロークとシーラに声を掛ける。
「人間が来た。一旦、引く。」
「……分かったよ…。」
「…面倒くさいことになったな…。」
キュラの言葉に素直に行動をするクロークとシーラ。3人は女型の巨人から離れていく。それを見ていたエレン達は不思議に思うだろう。
その時、背後から増援に気付くエレン達。
「増援です!早く!援護しなければまたやられます!」
「エレン!前を向け!」
エレンは、焦りながら背後から来た兵士の身を心配している。だから、他の皆にそう伝えるが、グンタが遮る。勿論の事、エレンはグンタさん!?と驚きの声をあげるばかり。
「歩調を乱すな!最高速度を保て!」
エレンの後ろにいる、エルドも叫ぶ。勿論、エレンは、エルドさん!?と声を張り上げてしまう。