第9章 *7*
「アイツらって………。」
エレンは、キュラ達が戦う姿を見ては、そんなことを言っていた。女型の巨人は、右手でうなじを守る体勢へと変える。シーラは、空中からの攻撃をする。
女型の巨人の目に向かって、攻撃を仕掛けようとすれば女型の巨人は、空いている左手でシーラを捕まえようとする。
だが、シーラの動きは先ほどとは違って簡単に避ける。爪を鋭くさせては、右目に向かって刺し掛かった。ズシャ!という鈍い音が聞こえては、女型の巨人の動きが鈍くなる。
それを見たシーラは、すぐさまに女型の巨人から離れる。本来ならもう片方の目の視界も奪おうとしていたが、あまりにも危険な相手なので、今回は避けた。
女型の巨人は、シーラに向かって手を伸ばそうとしていた時に、キュラが動いた。足と9本の尻尾の力でジャンプをすれば、伸ばした左手を一気に切り落とす。
「ボク達を怒らすからいけないんだ。中から引きずり出して、泣いて叫んでも…とことん虐めてあげる。」
「さっさと、出てこい。もっと、引き裂いてやるからよ…。」
クロークは、守っている右腕に攻撃を仕掛ける。どうやら、腕があると邪魔で仕方ない。しかしながら、クロークは腕だけではなく、女型の巨人の全身も切り裂こうという考えを持っていた。
その様子を見ていたリヴァイ班は、ひたすら馬で駆けるしかなかった。
「兵長!このまま駆けましょう!!」
ペトラがリヴァイにそんな事を言う。リヴァイは、誰にも聞こえない程度の舌打ちを一度していたがやがては、あぁ…と短く返事をする。
一瞬だけだが、リヴァイとキュラの目が合った。