第8章 *6*
サシャが、同じ班長に尋ねれば、班長は数秒を黙っていた。
「回り込むぞ。」
班長は、それだけを言って行動を起こす。中列以外の班は、森を回り込む形となった。そして、別の班でコニーはミカサに質問をしてしまう。
「なっ…なぁ、中列だけ森の中に入って行ったみたいだけど…陣形ってどうなってるんだ?」
「陣形はもう無い。私達左右の陣形は、森に阻まれてその周りを回るしかない。索敵能力は失われた。」
ミカサの言葉に驚くコニー。そして、コニーにとって、何故進路を変えて森に避けなかったのか?という疑問だった。ついには、エルヴィンが地図の読み間違えではないかとも言い出す。
コニーの言葉に、ミカサは分からないと答える。ミカサの考えでは脅威を避けようとするあまりに、ここまで追い込まれたのではないか…と言い出した。
そして、森に入ったエレンの班…リヴァイ班はひたすら森の中を走っていた。そこからの疑問で、エレンは後ろからリヴァイに呼び掛ける。
「何だって…ここ森ですよ!?中列だけこんなに森の中に入ってたら巨人の接近に気付けません!右から何か来てるみたいですし…どうやって巨人を回避したり荷馬車班を守ったりするんですか?」
「わかりきったことをピーピー喚くな。もうそんなことできるわけねぇだろ…。」
リヴァイの一言に、え!?と言葉を漏らすエレン。更に、エレンはリヴァイに質問をしてしまう。リヴァイは、エレンの質問に、答えてしまう。この森に入っては立体起動装置の機能を生かす環境だということを…。
「そして考えろ。お前のその大したことない頭でな。死にたくなきゃ必死に頭を回せ。」
リヴァイの言葉は、エレンに響いたのか黙ってしまった。