第8章 *6*
──そうか…オレが新兵だから、今の状況を呑み込めていないだけで、簡単に答えを教えてもらえないのも自分で学ぶ必要があるから…。きっと先輩達もそうやって戦いを学んできたんだ…。
エレンは、そんな事を思いながら隣で走っているオルオの方を見たが、エレンの考えを裏切るような表情をしていた。
オルオの表情は、どこか不安そうな状態であった。それに、何よりも独り言のようにブツブツと喋っていた。その異変に気付いたエレンは、オルオ以外のメンバーを見る。
それは、オルオと同じように不安な表情でどこか焦っているようにも見えた。
──!?まさか、まさか…誰も…この状況を理解できていないのか…?もしかしたら…リヴァイ兵長でさえも…。
エレンがそんな事を思っていると、後ろからゴォォォ!という音が聞こえてきた。それに気付いたメンバーは、一瞬だけ後ろを振り向く。
「な…何の音…!?」
「すぐ後ろからだ!」
「右から来ていたという何かのせいか…?」
その様子からリヴァイは、慌てる様子もなくお前ら…と冷静に指示を出し始める。リヴァイは、自分のブレードを構え始める。
「剣を抜け、それが姿を現すとしたら一瞬だ。」
女型の巨人は、既に巨大樹の入り口までに迫っていた。それを応戦しようと兵士達は女型の巨人に向かう。それを追い掛けるように、走ってくるキュラ達の姿もあった。