第8章 *6*
「こっちを向け!この…!化け物!」
信煙弾を女型の巨人に向かって撃とうとする。そして、女型の巨人に向かって煙弾を撃てば、女型の巨人の体が傾く。
その機会を狙っては、今だ!と合図を送る。その合図で、3人の調査兵団が同時に動いた。
女型の巨人は、うなじを守る大勢へと入った。
──同時に3か所だ。相当頭が回る奇行種のようだが、すべてを防ぎはできないだろう。脊椎に腱、どこからでも削げば歩みは止められる。
「余計な損害くれやがって、なぶり殺しにしてやる!」
一斉に掛かるが、女型の巨人は、右手で腰にあるワイヤーを掴み、ジャンプをする。ジャンプをしたことに、皆は驚きを隠せない。
左足で、兵士を踏み潰し更に、右足でも兵士を踏み潰す。そして、右手に持っている兵士をみる女型の巨人。
「何…は…放せ!」
兵士は、女型の巨人に向かってそんな事を言ったが、それは何も効果がない。女型の巨人は、ワイヤーを使ってはグルグルと回し始める。
女型の巨人が回す遠心力は凄い。人なんて、その遠心力で死んでしまう。それを見ていた兵士は、慌ててその場から離れようとする。
「報告が先だ。こんな奴がいるなんて!俺が知らせなければ!」
だが、女型の巨人はそれを許すわけがない。その兵士を蹴り飛ばした。それを近くで見ていた班がいた。
「奇行種か!」
「こんな所まで!仕留めるぞ!」
「これ以上の侵入を許すな!」
そう言って、違う班が女型の巨人を相手にすることになった。だが、恐らくはいとも簡単に終わらせてしまうだろう。
キュラ達は、女型の巨人を追い掛けてひたすら走っていた。キュラ達が着いたのは先程、戦闘が行われた場所にいた。