第8章 *6*
更に言えば、馬を2頭を連れて来ていた。その人物とは…。
「クリスタ!」
そう、クリスタが来たのだった。
「みんな!早く乗って!右翼側が大変なことに…。」
「あぁ、わかった!助かったぞ!」
クリスタが連れて来た馬は、片方はどうやらジャンの馬だった。クリスタの話によれば、ジャンの馬はひどく怯えてクリスタの所まで来たらしい。
そして、次にクリスタはアルミンの怪我を心配していた。
「よくあの煙弾でこっちに来る気になったな…。」
「ちょうど近くにいたし、ジャンの馬がいたから。」
ライナーの質問に答えるクリスタ。アルミンの言った通りに、近くには誰かが通っていて、その誰かといえば偶然にもクリスタだった。
ある意味、クリスタのお陰で命拾いした3人だった。
「よかった…みんな。最悪なことにならなくて、本当によかった…。」
クリスタの表情や言葉に、3人は一瞬だけ固まってしまった。
──神様…。
──女神…。
──結婚したい…。
3人の心の中でそんな、ことを思っていた。クリスタは、早く配置に戻らないと言い出せば、ジャンも焦りながらそんなことを言っていた。
ジャンの予想では、そろそろ撤退の指令が出る筈だと言い出す。それでいて、女型の巨人は、先頭の指令班とは逆方向に言ったとも話す。
今回の壁外調査で、僅か一時間でとんぼ帰りだと、想像以上に暗い…とまで言い出すジャンだったが、いきなり緑の煙弾が撃ち上がる。
「な…!?緑の煙弾だと!?撤退命令じゃないのか…陣形の進路だけを変えて作戦続行か?」
「作戦続行不可能の判断をする選択権は全兵士にあるはずだが…まさか指令班まで煙弾が届いていないのか?」