第8章 *6*
「…クソッ。」
ジャンは、恨むようなの言葉出しては、再び吹き始める。
──そんなことに頭を悩ませんのはクソだ!せっかく3人で死線をくぐったのにずいぶんな仕打ちじゃねぇか!
アルミンは、ライナーに治療をしている間、さっきの出来事を思い出していた。アルミンが、我に返った時にはライナーに名前を呼ばれた時だった。
それに気付いたアルミンは、ハッとして顔を上げる。
「やはり…まだ意識はしっかりしないのか?」
「うん…まだちょっとボーっとするよ…。」
アルミンの言葉に、そうか…と言葉に出すライナーは、どこか厳しい表情をしていた。それは、誰かしら此処に1人残らないという状況だった。
すると、アルミンはある提案をしては立ち上がる。
「待って…その前に煙弾を撃ってみよう。陣形が直進してたら四列三班あたりが近くに来ているはずだ。」
ジャンは、アルミンの言われた通りに、緊急事態の信煙弾を空に向かって撃つ。ジャンに言うには、これだけで意図が伝わるとは思えない…と言い出す。
ライナーは、アルミンにあと3分は待つと言い出せば、逆にアルミンがこの場所に残ると言い出す。それに驚くジャン。
「ちょっと待てよ、アルミン。」
アルミンの意外な言葉に、ライナーも驚いていた。そして、アルミンは真剣な表情で2人に向かって言う。
「代わりに報告してほしいことがある。できればエルヴィン団長にだけ…。」
すると、ジャンが遠くの方を見てアルミンに伝える。
「ちょっと待てアルミン。それは、お前が自分で報告しろ。」
ジャンの言葉に、僅かに驚くアルミン。その理由は、遠くから誰かが来ていたのだった。