第7章 *5*
ライナーは、全身を回転させながら女型の巨人から、逃れた。その時に、もっていたブレードも粉々になってしまったが、脱出は成功した。
それを見ていたキュラ達は、へぇーという言葉を漏らしていた。ライナーは、急いで女型の巨人の背後に回って、アルミンを抱え込み走り出す。
「もう時間稼ぎは十分だろう!?急いでこいつから離れるぞ!人食いじゃなきゃ俺達を追いかけたりしないハズだ!」
そして、女型の巨人はゆっくりと立ち上がる。その時、ジャンもその場から離れる為、走り出す。
ライナーの奴やりやがった…。ミカサが強烈で忘れてたが…あいつもズバ抜けて優秀で頼りになるヤツだったな…。
女型の巨人は、また走り始めた。
「見ろ!デカ女の野郎め…ビビっちまってお帰りになるご様子だ!」
ライナーがそんな事を言っていたが、アルミンは目を見開いていた。
そんな…!なぜ…あっちなら中央後方…エレンがいる方向だ…。
一方でキュラ達は、女型の巨人を睨み付けていたが、先程の先頭でダメージを食らってしまったキュラとシーラ。
クロークは、キュラの頬を優しく撫でる。それもかなり心配そうな顔をしていた。
「キュラ…大丈夫か?」
「平気だよ。大したことじゃない…。」
「……ごめんね、僕の責任だ。僕が判断を間違えなければ…。」
シーラは、自分を責めるように弱々しく言っていた。しかしながら、キュラは、微笑んでは優しくシーラに抱き付く。ただ抱き付くだけじゃなくて、九本の尻尾がシーラを包み込む。
「誰も責めたりしないよ。」
「…ありがとう……。」