第7章 *5*
ジャンは、焦りながらそんな事を思っていた。それもそうだ。相手は、知識を持った巨人だ。そして、人間を支えているのは、ガスとワイヤーだった。
女型の巨人が動こうとした時、ひッ!と声を漏らしてしまうジャン。その時、アルミンは叫ぶ。
「ジャン!仇をとってくれ!」
──!?アルミン!?
「右翼側で本当に死に急いでしまった死に急ぎ野郎の仇だ!そいつに殺された!」
──頭打って錯乱しちまったのか!?まずいぞ…こんな時に!
アルミンの様子に驚くジャンだったが、その時、女型の巨人の動きが止まった。
──動きが止まった?何だか知らんがひとまず助かった…。
女型の巨人が止まった事を利用しては、女型の巨人から離れては近くに降りる。これで、ジャンは命拾いをした。そして、アルミンはまだ叫んでいる。
「僕の親友をこいつが踏み潰したんだ!足の裏にこびりついているのを見た!」
その時、ライナーが動いた。左アンカーを女型の巨人の体に刺して、直接向かう。
──ライナー!…うなじを直接狙うのか!?いや!いける!ヤツがアルミンに気を取られている…!今なら──
しかし、ジャンの期待を裏切るかのように、女型の巨人はライナーを捉える。そして、右手でライナーを捕まえてしまう。
「オ…オイ!?」
女型の巨人は、右手に力を入れてはライナーを握り潰そうとしていた。それも一瞬の出来事だった。ビュッ!と音を立てては、女型の巨人は、ライナーを潰してしまった。
「お…おい…ライナー…お前…。」
ジャンは、絶望の言葉を出してしまった。しかし、すぐに変化があった。女型の巨人の右手から、ビュ!という音が聞こえてきた。