第7章 *5*
キュラが思ってた以上に、威力が高く反動が大きかったのだ。だが、尻尾で身を守っていた為、そこまで大きな怪我をしなかった。その様子を見ていたアルミン、ライナーやジャンは、驚きを隠せない。
「アイツら…人間じゃねぇ…。あの威力だったら、死んでるハズだ……。」
ジャンは、3人を見てはそんなことを呟いていた。当たり前の話だ。キュラ達は、人間じゃない、妖怪だ。体は、人間とは違い丈夫に出来ている。
クロークとシーラは、女型の巨人から離れては、キュラに近寄っていく。その間に、女型の巨人は倒れているアルミンに近付いていく。
それに気付いたジャンは、慌てて女型の巨人に近付いていく。アルミン!と声をジャンが掛ければ、クルッとジャンの方に振り向く女型の巨人。
こいつ…!運動精度が…!普通のヤツの比じゃねぇ!!そりゃそうか…!人が考えてこの巨体を操っているんだもんな!クソ!認識が甘かった…!
ジャンは、左アンカーで女型の巨人に刺しては立体機動に移る。女型の巨人は、キュラが切り落とした筈の右手が回復しており、攻撃体勢に入っていた。
ジャンは、咄嗟に右アンカーを出して女型の巨人の太腿に刺す。女型の巨人が、腕を振ると同時にジャンも体を傾けて避ける。ギリギリで避けたジャンは、女型の巨人の背後に回る。
しかし、女型の巨人は知性が高い為、左手でうなじを守る体勢へと入った。
──!?…うなじを守りやがった!
その時、ジャン!と声を張り上げるライナー。
──クソ!もう逃げられねぇ!仕留めるのも無理!さっきは運良くかわせたが…もう、ダメだ。死んじまう!ワイヤー掴まれて終わりだ!