第7章 *5*
クロークの狙いは、女型の巨人の足を切り落とすことだ。しかし、相手は巨人を纏った人間だ。知性もあるということだ。
女型の巨人は、それに気付いてはクロークを蹴り飛ばそうとする。僅かに目を見開いたクロークは、女型の巨人から離れる。蹴る瞬間には、僅かに風が吹いた。
それだけ、威力が高いと言えるであろう。攻撃を当てられなかったクロークは、不機嫌な表情をしていた。ならば…というばかりに空中にいるシーラが急降下して、視界を奪おうとする。
だが、女型の巨人はシーラの存在に気付いていたのか、急降下してくるシーラを右手で捕まえる。それには、本人であるシーラが驚いていた。
シーラだけじゃない、キュラやクロークだってそうだ。女型の巨人は、握り潰そうと右手に力を入れる。苦しそうに顔を歪めるシーラ。
その時、キュラが動いた。女型の巨人に向かって一気にジャンプをしては、シーラの掴んでいる右手に向かって、尻尾で切り落とす。その瞬間、シーラは右手から脱出して離れる。
それだけで終わりかと思っていたが違っていた。女型の巨人は、無事である左手でキュラを叩こうとする。キュラは、反射的に、尻尾で身を守る体勢を取った。
だが、相手は巨人ということで威力がある為、いとも簡単に吹き飛ばされたキュラ。それを見ていたクロークとシーラは、顔色が一気に変わる。
「キュラッ!」
キュラは、地面に転がるがすぐに体勢を元に戻すが動こうとはしなかった。いや、動けないのだ。