第7章 *5*
アルミンは、女型の巨人の横から攻めようという判断をする。
──あっちから来たより、だいぶ遅くなった…。疲れたのか…?あの速度で再び走られたら手遅れだ!今やるべきだ…。今、手を打たないと…。
ライナーは、黙って背後から女型の巨人に近付いていく。
いいかお前らさっき言った通りだぞ…。少しでも長く注意を引きつけて…陣形が撤退できるよう尽くせ…。少しでも長く、ここに留めるんだ。
もし足の腱を削いだのなら十分以上。ただし無茶はしてくれるな。仕留めろとは言わん聞くところ、やつは…。
うなじの弱点を把握してる。他の巨人とはまったくの別物、仕留めることは不可能だろう。
──少なくとも…人間の常識に当てはめた限りではそうだろう…けど…。
アルミンは、そんな事を思いながらリヴァイやミカサを脳裏に思い浮かべる。
──あの2人ならもしかしたら…。
アルミンは、そんな事を思っていたが、女型の巨人の様子が変わったことに、違和感を持ち始める。女型の巨人が、アルミンに向かって体の向きが変わる。
それに気付いたキュラ達。キュラは、アルミンに向かって叫ぶ。
「避けろ、人間ッ!」
だが、その言葉は駄目だった。アルミンは、うっ!と声を上げては馬の方向を逆に向けたがそれでも遅かった。女型の巨人は、アルミンを攻撃した。
ギリギリだったのか、はたまた偶然だったのか、女型の巨人の直接攻撃を免れたアルミンは地面に転がる。
女型の巨人は、アルミンに近付こうとする。その時に、3人が動き始めた。
「引き裂いてやる…。」
クロークは、爪を鋭くさせては女型の巨人との距離を一気に縮める。