第7章 *5*
「え…?ああどうも…。でも気持ち悪いとか酷いなぁ…。」
ライナーは、アルミンとジャンのやり取りを黙って聞いていた。
──あのジャンが…変わったんだな…。
ライナーは、そんなことを思っていた。
「これから、オレが言うことを踏まえておくんだ。」
ジャンの作戦で、女型の巨人に挑むライナーとアルミン。それを聞いていたクロークは、睨み付けるように見ていた。そして、3人に告げる。
「人間は脆い。お前達が挑んだところで、時間稼ぎにもならない。死に行くものだ。」
「うるせぇ!お前らに何がわかるんだよ!」
クロークの一言に声を張り上げるジャン。それに対してクロークは冷めた表情をしていた。何も焦っている様子も見せない。当たり前の話かもしれない。
ずっと、壁外で暮らしてきたキュラ、クロークとシーラはこんな状況など、どうでもいいと思っている。
「まぁ、ボク達には関係ないよ。悪いけど中にいる人間は、ボク達が貰うよ。」
「駄目だ。そうしたら、失敗になってしまう。」
キュラは、ニヤリと不気味な笑みを浮かばせてはアルミン達に言う。だが、アルミンの言った通りに、この作戦はある意味、失敗に終わってしまう。
「君達がどう思うとも…僕達は関係ない。それに、確実に言えることは、僕達は君達よりも強い。ただそれだけ…。」
「邪魔されちゃ、さすがに許さねぇな。」
シーラの言った通りに、妖怪であるキュラ達の方が力がある。しかし、それでも怯まないのが人間であるアルミン達だ。
というわけで、アルミン達はブレードを構えて女型の巨人に向かい始める。