第7章 *5*
「キュラ。どうする?中の人間ごと殺すか?」
「確かに、それはそれでいいかもね。あの体から人間を取り除いて…ボク達が満足するまで虐めて、殺そう…。」
キュラの発言は、恐ろしいものだ。恐らく、アルミン達は有り得ないと思えるだろう。だが、今まで苦しい想いをしてきたキュラ達にとっては、このぐらいしないと気が済まない。
「……分かった。取り出そうか……。」
キュラの指示に従うクロークは、爪を鋭くさせる。その様子を見ていたライナーが、ところで…とアルミンに尋ねるのだ。
「アルミン、どうしてそう思った?」
「巨人は人を『食う』ことしかしない。その結果として死なせるのであって『殺す』行為自体は目的じゃない。」
更に、アルミンはライナーに詳しく説明をする。これは、あくまでアルミンの推測であるが、アルミンはとても頭が良いから納得いくばかりで説明をする。
あの巨人は、ネス達を『握り潰し』たり『叩きつけた』という行動をしている。アルミンが言った通りに『食う』ためではなく、『殺す』為だったのだ。
それを根拠に他の巨人とは違う、ということに辿り着いたのだ。そして、女型の巨人は『超大型』や『鎧』の巨人が壁を破壊した時と同じように巨人を連れて来た…という予想まで立てる。
そして、アルミンは誰かを捜しているのではないかと思い始めた。
「捜しているのはきっと…エレンだ…。」
そこまでの結論を出してしまった。しかしながら、ライナーがあることを言い始めた。
「エレンだと?エレンのいるリヴァイ班ならあいつが来た右翼側を担当しているハズだが。」
ライナーの言葉に、僅かに驚くアルミン。