第7章 *5*
キュラは、冷たい瞳で3人を見下ろしていた。
「人間に答える訳がない。何よりも人間の味方でもないからね。」
その様子から何か分かったのか、アルミンは恐る恐るキュラ達に問い掛けてしまう。
「エレンから聞いた。…もしかして、君達は、例の壁外の人?」
「……だとしたら?」
アルミン達の横で、走っているクロークは睨み付けながらそんな事を言う。その瞳は、かなりの殺気を放っていた。背中から凍りつくほどだ。
3人は、唾液をゴクリと呑み込む。一歩でも言葉を間違えれば殺されるのではないか…と思っている。クロークは、3人を見てから目の前に女型の巨人の方を見る。
「忠告だけはしておく。アイツの足止めを考えるのなら、やめておけ。お前達だと弱すぎる。」
「なんだと?!」
クロークの言葉に、反応をしてしまうジャン。その様子を上の方から見ているキュラとシーラ。キュラは、一旦、目を閉じてはすぐに開く。
その瞳は、女型の巨人を捉えていた。キュラの瞳は、女型の巨人を獲物と写していた。
「シーラ。降ろして…アイツを殺す……。」
「珍しいねキュラ。人間の予想では、あの中に人間がいるみたいだね。」
シーラは、微笑みながら一旦止まってはキュラをゆっくりと降ろす。キュラは、9本の尻尾を出しては走り出す。
スピードは、クロークにも負けないぐらいだ。シーラは、空中から攻撃を仕掛けるのだ。勿論、9本の尻尾を見たアルミンとジャン、ライナーは驚いていた。
キュラの横で、走っているクロークは問い掛ける。