第6章 *4*
ネスはやがて覚悟を決める。馬からジャンプをして右アンカーを出し巨人の右足に刺す。見事に命中し、ガスの力で一気に距離を縮め…。
「ふんッ!」
切り落とす。切り落とせば、巨人は大きく傾き始める。それを見たネスはシスに呼び掛ける。それに反応したシスは、うなじに向かって左アンカーを出して、巨人のうなじを削ぐ。
その様子を遠くから見ていたアルミンは、とても喜んでいた。
「やった!ネス班長!」
勿論、成功したネスも喜んではヨロヨロと立ち上がる。その時、ネスが乗っていた馬が彼の前まで走ってくる。
「来てくれたか…。さすがは俺の愛馬!」
ネスは、自分の馬に褒めては乗る。アルミンはその様子を見ていたが、え?と声をあげてはどこか遠くの方を見ていた。それは、遠くの方からズシンズシンと巨人が走ってくるのだ。勿論のこと、ネスとシスも気付いた。
「右翼側の索敵は何をやってんだ?」
「無視してこっちに来たとなると…あれも奇行種のようですね…。」
「しょうがねぇな…シスもう一度やるぞ!」
「はい!」
──しかし…2回も連続するとはついてねぇ…。しかも14m級はありそうだ。こいつはしんどいぞ──
ネスが後ろを振り向けば既に女型の巨人が迫っていた。それを見ていたアルミンは、驚きながらも黒い信煙弾を撃つ。
「何だあれ!?速すぎる!」
──まずい…!ネス班長達が!!
ネスとシスは、女型の巨人に踏まれそうな所をギリギリでかわす。しかし、女型の巨人が行く先には、アルミンが走っていることに気付いたネス。
──アルミンの方に…。
「行かせるな!シス!」
「はい!」
ネスがシスに声を掛けて、ネスは左アンカーでシスは、右アンカーで女型の巨人のうなじに刺す。