第6章 *4*
シーラの質問にコクリと頷くキュラ。再びシーラは、キュラをお姫様抱っこして移動するのだった。
一方で、アルミンは違う方向を見ていた。そして、何か不思議に思ったアルミン。
「さっきから変だ…。赤の信煙弾が撃たれてしばらく経つのに陣形が乱れている。」
アルミンは、暫く考えては遠くの方から足音が聞こえてくる。まさか…と言葉を漏らしては、信煙弾が放たれた。
「黒い煙弾!?」
そう放たれたのは、黒い信煙弾だった。
──近くの人間を無視して中央に迫っているのか!?間違いない!ヤツは…。
「奇行種だ!」
ドシドシ!と大きな足音を立てては、どんどん走っていく巨人。それを追い掛けていく2人の調査兵団。
行動が予想できない奇行種に対してのみ戦闘は必要だ。ガチャとブレードを構える。
「チクショー。やるしかねぇか!シス!お前はうなじだ!!俺が動きを止める!」
「了解!」
シスと呼ばれた人は、既にブレードを構えて返事をする。シスに指示を出したのは、アルミンの班長であるネスという人だ。
──平地では立体機動装置本来の性能を発揮できるものではない。成功率は極めて低い上に落馬する。隊列から孤立する恐れもある。しかし…ヤツに陣形を壊されるワケにはいかん、補足次第、積極的に仕留めよ!
ネスの思ってた通りに、立体機動は本来木や建物などを利用しては移動するものだ。しかし、平地ということで木の数も少なく、未だ移動中ということで失敗したら、孤立する恐れがある。
「俺が新兵に教えたことだ…。俺ができなくてどうする!向こうは確かアルミンか。まだ新兵をこいつに会わせたくねぇな…。」