第6章 *4*
しかし、それを裏切るように女型の巨人はシスを手で握り潰し、ネスはワイヤーの部分を掴んでは、地面に叩き潰す。
その行動を見ていたアルミンは、ただ単に驚くばかりだった。
「違うぞ。違う…奇行種じゃない!ネス班長教えて下さい。どうすればいいんですかヤツは!?通常種でも…奇行種でもありません…。ヤツは!『知性』がある。『超大型巨人』や『鎧の巨人』とか…エレンと同じです!」
アルミンは、危機的な状況でも頭脳は、しっかりと働いており全て語り出す。
「巨人の体を纏った人間です!だっ…誰が!?何で!?何でこんな!まずいよ!どうしよう!?僕も死ぬ!僕も殺される!」
一方で、キュラ達は確実に調査兵団に近付いていた。今、この3人がいる場所は初列十・索敵だった。そこは、巨人にやられて地獄だった。
「だ…誰か…伝えてくれ…。右翼…索敵班、ほぼ壊滅…女型の巨人が…巨人の大群を連れてきた。誰か…いないのか…陣形が…破壊される…全滅…しちまう…。」
最後の生き残りだった男が巨人に喰われる所を、冷たい瞳で見ていた3人。そして、この場にいる巨人達がキュラ達に反応をする。
「…人間は、本当に脆い…。」
キュラは、それだけを呟いてから巨人の首を跳ねる。次々と巨人を殺してしまうキュラ、クローク、シーラ。地面には、人間の死体だらけ。
そして、3人が討伐した巨人だけだった。
「キュラ。この先だろ?調査兵団がいるのは…。」
クロークの問いに、頷くキュラ。シーラは、バサッと羽を広げてキュラを抱き抱える。
「じゃあ、行こう。人間がどう足掻くか、見てみようか……。」
そう言って、再び走り出すのだった。