第6章 *4*
「…ああ。そうだ。」
ジャンの言葉に肯定するように返事をするエレン。それを聞いたジャンは、表情を一つ変えずにエレンの言葉をしっかり聞いていた。
「お前達聞いたかよ。これが現状らしいぞ。オレ達と人類の命がこれに懸かっている。このために…オレ達はマルコのようにエレンが知らないうちに死ぬんだろうな。」
ジャンの言葉は、真実のようで何よりもかなり重々しい。それを聞いていたエレンは目線を下に向けては黙るしかなかった。
ミカサは、一度エレンの方を向いてからジャンと名前を呼ぶ。
「今ここでエレンを追いつめることに一体何の意義があるの?」
「あのなミカサ。誰しもお前みたいになぁ…エレンのために無償で死ねるわけじゃないんだぜ?」
ジャンは、横目でミカサを見ながら伝える。その言葉を聞いたミカサはとても驚いていた。ジャンは、何のために命を使うかを…という話をする。
その理由とは、いざという時の判断に迷いが出てしまうということを語り出す。
「きっちり値踏みさせてくれよ。自分の命に見合うのかどうかをな…。だから…エレン。」
「お前…。」
ジャンは、更にエレンに近づいては両肩を掴み真剣な瞳でジャンはエレンに伝える。
「頼むぞ?」
「あ…。あぁ…。」
という出来事があった。それを思い出していたエレン。平原を大集団で走っている。エレンの隣に走っているオルオに尋ねる。
「オルオさん!あいつら…オレの同期は巨人戦に勝てますかね?」
「てめぇ、この1か月間何していやがった!?いいか…クソガキ。壁外調査ってのはなぁ!『いかに巨人と戦わないか』に懸かってんだよ!~~~~!」
オルオはエレンに説明する際に、何故か自分の舌を噛んでしまい痛そうな表情をしていた。