第6章 *4*
そして、グンタの指示で今回の訓練を終了する。
──信頼か…。
エレンは、目線を下の方を向けてはそんな風に思っていた。そして、顔を上げてはオルオとエルドの後をついて行く形となった。
ふと何かを思ったのか、後ろを振り向けばエレンと同期のアルミンたちを見かける。
──昨日は誰が残ったかまでは見れなかったけど本当に調査兵団に…。
エレンは、難しそうな表情をしながら皆の心配をしていた。皆の安否が気になって仕方ないみたいだった。
「オルオさん、ちょっと同期と話してきてもいいですか?」
「チッ…。さっさと行けよ。」
エレンは、オルオに許可を求めてからアルミンたちに近付いていく。そして、皆の後ろからオイ!と声を掛ければ、ミカサはビクと驚く。
アルミンは、後ろを振り向いてエレン!と呼びかける。
「しばらく振りに会った気がするぞ。」
「何か…ひどいことはされなかったの?体の隅々まで調べ尽くされたとか精神的な苦痛を受けたとか。」
ミカサは、心配そうにエレンに尋ねれば、エレンは慌てた様子でね…ねぇよ、そんなことは、と言うばかりだ。
「…あのチビは調子に乗りすぎた…いつか私が然るべき報いを…。」
「…まさかリヴァイ兵長のことを言ってるのか?」
ミカサからの言葉からとんでもないことを言いだす。どうやら、ミカサはエレンに暴力を振ったリヴァイを相当に恨んでいるらしい。
そして、エレン!と声を掛ける第105期生の皆だった。そのことに驚いているエレンの姿もあった。
「ってことは憲兵団に行ったのはアニとマルコとジャンだけで、あとは皆、駐屯兵かそれ以外ってことか…。」
エレンがそんなことを言っていると、皆が黙り始めた。