第6章 *4*
旧市街地を抜けたら援護班の支援は、そこまで、これより先は──巨大な陣形を組織して巨人から身を守る。
エレンは、今回の作戦内容を思い出していた。グンタが、今回の話をする。エレンを含めた特別作戦班は、5列中央・待機だと、グンタが説明をする。
「ずいぶん後ろなんですね。」
「この布陣の中で最も安全な配置だろうな。補給物質を運ぶ荷馬車よりも手厚い待遇だ。」
グンタが、エレンに説明をする。更に、グンタはエレンをシガンシナ区に送るための試運転という事も伝える。
「今回はとりあえず『行って帰ってくる』ことが目標だ。」
グンタの話を黙って聞くエレン。
──守れ!何としてでもエレンを死守せよ!
エレンは、自分自身が巨人となり大きな岩を持ち上げ門まで運んだ事を思い出す。そして、自分の手元を見てあの…とグンタに尋ねる。
「オレには…この力をどうしたらいいかもまだわからないままなんですが…事をこんなに進めてしまって大丈夫でしょうか…。」
「……お前…あの時の団長の質問の意味がわかったか?」
「…え?」
グンタの言葉で、エレンの脳裏でエルヴィンがエレンに質問したことを思い出す。不思議に思ったエレンは、オルオ、エルド、ペトラ、グンタに質問をする。
しかし、皆は首を左右に振りエルヴィンが質問した内容を理解していなかった。グンタは、作戦の紙を丸め始める。
「もしかしたら、この作戦には『行って帰ってくる』以外の目的があるのかもしれん。そうだとしたら団長さ、それを兵に説明するべきではないと判断した。」
グンタの推測をエレンに説明する。そして、団長を信じろという言葉を残せば、エレンは、…はいと返事をする。