第4章 *2*
ハンジの部下の一言で、緊急事態が起きた。現場に行けば、巨人から蒸気が出ていた。勿論の事、あの3人も近くの建物に隠れながらその様子を見ていた。
「ウソだろ…兵士がやったのか?」
「あぁ、犯人はまだ見つかってないって。夜明け前に2体同時にやられたらしい。見張りが気付いた時には立体機動で遥か遠くだ。」
兵士達がそんな事を騒いでいた。どうやら犯人を見た者は誰もいない。そしてなによりも、2体同時に巨人を殺してしまうほどの実力。相当な人だと思われる。
「2人以上の計画的作戦ってワケか。見ろよハンジ分隊長ご乱心だ。」
「貴重な被験体なのに…一体どこのバカが…。」
「バカじゃなかったら何なんだろうな…。見当もつかんよ。」
兵士達がそんな事を言っている間も、ハンジは涙を流し騒いでいた。
「行くぞ…後は憲兵団の仕事だ。」
「ハ…ハイ。」
リヴァイは、フードを被っているエレンに声を掛けて移動しようとすると、エルヴィンがエレンの名を呼ぶ。それに気付いたエレンは、団長!と呼び掛けた。
「これは一体?」
「君には何が見える?敵は何だと思う?」
エルヴィンは、エレンの両肩に手を置き問い詰める。その意味が分かっていないエレンは、…はい?という曖昧な声を出す。その時、リヴァイは横目で2人の様子を伺っていた。
「……。すまない…変なことを聞いたな。」
エルヴィンは、申し訳なさそうな顔をして現場から離れて行った。ある一定の場所から離れたエルヴィンに声を掛ける人物がいた。
「人間同士の仲間割れか?」
エルヴィン後ろから声が聞こえてきた。エルヴィンは、特に驚きの表情をしないで振り向く。其処にいたのは、キュラ達だ。