第4章 *2*
「期待ばかり掛けるし不快にさせるかもしれないけど…私は今楽しい。こんな変化は今まで無かったからね。」
やがて、エレンはハンジの名前を呼びこんな事を言い始める。
「よかったら実験の話をもっと聞かせていただけませんか?」
「え?いいの?」
突然の言葉に、驚きを隠せないハンジ。
「明日の実験の為にも詳しく知っておいた方が良いかと思いますし。」
「そ…そうだね。うん、今の話じゃ省略した部分も多かったし…もっと詳細に話すとしよう。ちょっと、長くなるけど…。」
やがてハンジは、エレンに実験の内容や結果を話し始めるのだった。一方で、外であまり目立たない場所で、キュラ、クローク、シーラが待機していた。
というかエレンやハンジの様子を見ていた。キュラの耳がピクピクと反応をみせる。よほど、発達しているらしくはっきりとは内容は聞こえないが、何か話しているのは分かっている。
「キュラ、いつまで此処にいるつもりだ?」
クロークは、不満げな表情をしながら果物に噛みつき食べている。さぁー?と言葉を零しながら同じように果物を食べるキュラ。この果物は、先程シーラが盗んできたのだ。
人間が妖怪に勝てるわけもなく。シーラは、余裕で人間から逃げて果物を分けて食べていた。キュラは、冷たい瞳で城の中にいるハンジやエレンなどの人間に睨み付けていた。
キュラは、果物を完食させた後9本の尻尾を現し、自分の尻尾の上で寝っころがる。その行動からにして、此処で寝るという体勢だ。
「もう、外に行くのは面倒くさいから寝よ?クロークもシーラも、ボクの尻尾使って寝よ。温かいよ…。」