第4章 *2*
ハンジは、細く長い鉄のような棒で巨人の大きな目に向かって刺しこむ。その際には、どうしてもハンジが叫んでしまい、他の兵士がドン引きするほどだ。
「分隊長!!あなたが叫ぶ必要は…。」
「これが叫ばずにいられるか!ビーンがこんなに痛がっているんだぞ!?ビーン頑張れ、耐えるんだ!!」
何故かハンジは、叫び更には涙を流しながら作業をしていたのだった。
「巨人に『うなじ』以外の弱点が無いか確認する必要があるからね…。とても辛い作業だったよ…。」
ハンジは、当時の事を視線を下に向けながら語った。そしてまた、語り始める。
ビーンに比べてソニーは内向的な性格であまり反応を示さなかった。
先程と同様に、細く長い鉄のような棒でソニーの心臓に向かって刺しこむ。しかしそれでも反応を示さない。
やがては、う~う~と反応を示すソニーに対してハンジは、どうしたの!?と近寄るとガアッとハンジに向かって捕食しようという行動をする。
間一髪で、それを避けたハンジ。それを見ていた部下達も止めて一旦、ハンジとソニーを離す。
「こんな感じでソニーは自己表現が苦手なんだよ。頭かじろうとするばっかりでさ。」
「何で…巨人を前にしてそんなに陽気でいられるんですか?」
ハンジが巨人の前での態度に、エレンは不思議に思ってしまい、思わず質問をしてしまう。この質問にハンジは、え?と言葉を漏らし不思議な表情へと変える。
「その…巨人はオレら人類を絶滅寸前まで追い込んだ天敵…。ハンジさんだってその脅威を数多く体験してるはずなのに…。」
やがてハンジは、エレンの問いにそうだよ、と答えるのだ。ハンジは、左手で握り拳を作り視線をそれに向ける。