第4章 *2*
「あぁ…やっぱり。聞きたそうな顔をしてると思った…。」
ハンジがそんな事を言い始めた瞬間に、リヴァイに続き、ペトラ、オルオ、エルド、グンタとその場から離れていく。
エレンにとっては、不思議に思うしかなかった。やがて、ハンジは聞かせてあげないとね、とエレンに向かって語り掛け始める。
「今回捕まえた巨人達(あのこたち)について。」
巨人の捕獲に成功したのは今回が初めてじゃない。まずは過去に5回の捕獲時に行った実験の反復から始める。
最初は『意思の疎通』の検証。残念ながら今回も意思を通わせることは不可能との結論に至る。
しかし私にとって巨人との交流は日々の疲れを忘れるほど充実した時間だった。ちなみに4m級を『ソニー』…7m級を『ビーン』とそれぞれを名付けた。
次に『日光の遮断』を試してみた。夜が深まると巨人の活動力が落ちることから日光により何かしらの活動力を得ていることを裏付ける実験だ。
これは巨人によって個体差が大きく出た。ソニーは遮断後1時間で活動が鈍くなったのに対し、ビーンさ3時間は元気なままだった。
と次々とハンジがエレンに巨人について語った。
「改めて驚かされたよ…。彼らは水も食料も摂らない発声器官はあっても呼吸を必要とはしない…。唯一活動に必要なのは『日光』なんだ…。」
その結果を出したのは、ハンジ自身だ。流石のハンジでもこの結論を出した時には、驚きを隠せなかったみたいだ。
「ずっと日光を絶つとどうなるのか…興味はあるけど、死んでしまったら困るからね…。そして次の段階からは直接巨人の体と接触する。『痛覚の確認』へと移行した。」
いきなりガタッ!と音を立てたハンジに、エレンは驚いた。