第4章 *2*
「私は今、街で捕らえた2体の巨人の生態調査を担当してるんだけど。」
ハンジは、エレンの前まで来て開いている椅子を引き座り語り始める。それはまるで相談をしているようにも聞こえる。
「明日の実験にはエレンにも協力してもらいたい。その許可をもらいにきた。」
「実験…ですか?オレが何を…?」
「それはもう…最高に滾るヤツをだよ。」
ハンジは、フーフーと呼吸が荒くなり興奮状態となっているのにも関わらずエレンにとっては、理解が出来ていなかった。それに、少し困った表情をみせる。
「あの…許可については自分では下せません。自分の権限を持っているのは自分ではないので…。」
今のエレンは、自分の権限を持っていない為、ハンジの許可のお願いを聞けないのだ。それを言いながらエレンは、リヴァイの方を見ていた。
そのままつられて、ハンジはリヴァイに問い掛ける。
「リヴァイ?明日のエレンの予定は?」
「……庭の掃除だ。」
数秒黙ってからリヴァイが答えると、ハンジが…。
「ならよかった、決定!!エレン!明日はよろしく。」
「あ…はい…。」
何故かまだリヴァイが許可を出していないにも関わらず勝手にハンジが、決めて明日エレンと共に実験を行う事になってしまった。
ハンジは、パッ!とエレンの手を握り締め握手をする。その際に、リヴァイは黙っていたのだ。
「しかし巨人の実験とはどういうものですか?」
エレンの言葉に、反応をみせるハンジに対してオルオが咄嗟に、苦しげな表情を見せながらエレンに向かってドン、と肘でエレンにぶつける。
──オイ!やめろ…。聞くな!
勿論の事、この合図だけじゃエレンには伝わらない。