第4章 *2*
クロークの瞳がギラギラと光る。猫目の為、瞳孔が細く睨み付けただけでもかなり怯む人もいる。ましてや、今は薄暗い。余計に恐怖を覚えるだろう。
すると、シーラは人差し指を立てて上の方を向ける。それは、窓から侵入してきたと伝えるのだ。
「へ、兵長…。この人達は…?」
エレンは、恐る恐るリヴァイに問い掛ける。リヴァイは、目を細めながら3人の様子を見ている。
「壁外に住んでいるヤツだ。お前なみに謎だらけだ。」
「壁外だって!?」
エレンは、壁外という言葉に驚きを隠せていない。当たり前の反応だといえる。どうやって、あの壁を乗り越えてきたのか謎だからだ。
だが、それは人間からにしては謎だけであって、妖怪であるキュラ達にとっては容易い程の壁だから乗り越えられる。
「何しに此処にきたんだよ!!」
オルオの荒々しい声が、城中に響き渡る。オルオの声で、3人は不機嫌な表情へと一気に変える。それだけではない。特に、クロークは殺気を放っている。
「五月蝿い人間だ…。殺されたいか?」
クロークは、右手を前に出して鋭い爪をオルオに向ける。その姿からオルオはゴクリと唾を呑み込む。キュラは、止めて…とクロークに優しく問い掛ける。
それを聞いたクロークは、ゆっくりと右手を下ろす。カップを一口飲みリヴァイは、キュラに問い掛ける。
「お前らは、巨人に認識されないのか?」
そうリヴァイは、キュラ達に出逢ってから唯一気になった事だ。巨人は、人間がいたらすぐに襲ってくる。だから、壁外にいる巨人共には過ごせない。
しかし、キュラ達は、壁外に住んでいる。見た目が、人間に近いから認識されても可笑しくはないのでは…と考えていた。