第4章 *2*
それでもキュラは、何も行動しない。しかし、やがては数秒リヴァイを凝視してからキュラは窓の縁に立ち上がる。そして、リヴァイに背を向ける。
「…人間は脆い。あの巨人に、すぐに砕かれてしまう。…気をつけるんだね。」
キュラは、リヴァイにそれだけを伝えてその場から離れるように消える。リヴァイは暫くしてからエレンがいる場所へと移動する。
そして、リヴァイは、後ろからオイ…エレンと呼び掛けると同時に、ペトラはビクッ!と驚きながらせっせかとホウキで掃除を始める。
勿論、エレンも驚きながらもリヴァイに返事をする。
「全然なってない。すべてやり直せ。」
という事で、再び掃除をさせられるエレンだったのだ。その掃除は、夜までと続くのであった。そして掃除を終えた皆は、飲み物を飲みながらこれからの事を話していた。
「我々への待機命令はあと数日は続くだろうが、30日後には大規模な壁外遠征を考えてると聞いた。それも今期卒業の新兵を早々に混えると…。」
エルドの説明を聞いた皆は、そりゃ本当か?と思わず疑う声を聞こえてきた。グンタは、腕を組みながら言った。
「ずいぶん急な話じゃないか。ただでさえ今回の巨人の襲撃は新兵には堪えただろうによ。」
「ガキ共はすっかり腰を抜かしただろうな。」
オルオは、左手でカップを持ちそんな事を言い出す。ペトラは、本当ですか、兵長?とリヴァイに問いかけると、リヴァイは目線をカップに向けながら答える。
「作成立案は俺の担当じゃない。ヤツのことだ…。俺達よりもずっと多くのことを考えてるだろう。」
リヴァイが言ったヤツとは…エルヴィンの事を指している。