第3章 失礼な男の正体。
「かしこましました」と言ってジードラゴンからカードを預かりその場を離れる店員さん。
『ちょ。。待ってよジードラゴン。私こんなに沢山。。。お金すぐ返せないよ』
「は?何言ってんの?金なんていらねーし」
『いや何言ってんのはコッチのセリフだから。買ってもらう理由もない!』
「俺を誰だと思ってんの?G-DRAGONだよ?」
『あのね。。。そんな事関係ないから。。とにかく。。困る』
「俺がいいって言うんだからいーんだよ!」
そう言いながら私の肩に今ジードラゴンが着ているようなライダースを掛けて、スタッズの付いた赤のクラッチバッグを私に渡した。
[私が選ぼうとしてたヤツばっかじゃん。。。]
女らしいワンピにはずしでライダース。。。
いかにもジードラゴンが好きそうなコーデだ。
「次いくよ」
『え?ちょ。。ちょっと。。!』
そう言ってジードラゴンは早足で私の手を引いて店の外へ連れて行く。
後ろで店員さんがお辞儀をして挨拶しているのを振り返りながら会釈だけで返して。。。
そして今。。。。
私はBarに連れて来られていた。
ここに来る途中でサロンにも寄り、濡れた髪を綺麗にしてもらいメイクまで直してもらった。
行きつけらしいBarのマスターにジードラゴンが軽く挨拶をして奥の扉を開く。
[なんちゅー高級そうな。。。]
そこはVIPルームなんだと見ただけでわかる内装。
おまけに入って来る時に壁に付いたパネルにジードラゴンが手をかざしてた。
「なにやってんの。座れば?」
備え付けのBarのドリンクに手をかけながらジードラゴンが言った。
『うん』
「何飲む?」
『なんでもいい』
「じゃあシャンパンでいい?」
『うん』
座り心地の良過ぎるソファに腰掛け、この空間と目の前のジードラゴンに落ち着かない私。
「はい」
隣に座ったジードラゴンがシャンパングラスを私に渡す。
『ありがと』
「じゃあ乾杯する?」
『何にw』
「出会い?」
『なにそれwまぁいいけどwじゃあ出会いに』
「乾杯」
私はグラスのシャンパンを一気に飲みほした。
「ぷっwやっぱすげー女w」
『は?なにが』
「普通そこは一気しないだろw」
『そりゃジードラゴンの周りにいるような女はそうでしょうね!』