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人を好きになるという事。

第4章 ーJIYONGー


変な女って思って声かけたけど、濡れた髪がやけに色っぽいその女から何故か目が離せなかった。

[俺が誰だか気がついてないんだろうな]

普通に話す彼女を見てそう思った。

だって。

俺だとわかってキャーキャー言わない女はいない。

とたんに声のトーンや仕草を変えて、俺にすり寄ってくる女ばっかりだ。

『風邪引くよ?』

そう言って彼女にライダースを掛けてやった時に思った。

今にも泣き出しそうな顔してるって。

そしたら無性に彼女に何があったのか気になりだした。

半ば強引に彼女を店から連れ出し、行きつけの店に今から開けてもらえるように電話をした。

車に乗り込み俺はわざとサングラスをはずした。

「え?。。。ジ。。。ジ。。」

ほらね。びっくりしてるw

「ジードラゴン!?」

驚いた彼女はそのまま固まっていた。

車を走らせてても、視線が痛いほど刺さる。

『穴あく』

ほんとにあきそうなぐらい見られてる。

でも不思議と嫌じゃなかった。

店について「こんなカッコじゃ。。」って駄々こねてる彼女を強引に店内にいれ、俺が選んだ服を試着するように言った。

しぶしぶといった様子でフィッティングルームに入って行った彼女。

[おせぇ。。。]

しびれを切らせてフィッティングルームのドアの前に立ち声をかけた。

「あ。。今で。。る。。!」

俺の声に急いで出てきた彼女は目の前の俺の胸に飛び込んできたから咄嗟に俺も抱きとめた。

[細っせぇ。。。それに。。。あんなずぶ濡れだったのに。。なんだよこの香りは。。。]

思わず首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぎそうになった。

試着した彼女はすげぇ綺麗だった。

お世辞じゃなくて。

体のラインが出るワンピなのに、しっかり着こなしている。

それに。。。

胸も。。。

[やべぇ。。。想像以上。。。]

俺は彼女から目を逸らすように他の小物類を選んで店員にカードを渡した。

彼女は「お金返せない」って言ったけど、もちろん払わせる気なんてない。

もっと他にも服買ってやりたいぐらいだ。

[自分の家族や友達以外に物買ってやるなんて。。。はじめてかもな。。]

そんな自分を不思議に思った。
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