第5章 第二章第一話
部屋に戻って少しすると悠が走ってきた。
「ねぇ華ちゃん!コレどういうこと!?」
怒っている悠の手にはワンピースがあった。
「え?いつも私皆に合わせてるから、たまには私に合わせてもらおうかなぁ~って。」
「でも、兄さんの分は無いよね。」
令さんに女装なんてさせる訳が無い。
「当然じゃない、悠君だけだよ。一番似合いそうだもん。桃も喜ぶんじゃな~い、可愛い悠君の女装見たら。」
しばらく二人とも黙っていた。
「…今度ね、今度。」
華が勝ったようだ。
「そろそろ夕ご飯の準備しようかな。ほら、悠君もどっか行って。」
二人とも部屋を出た。
「あっ、華殿!これなんですか?」
次郎の手には謎のファイルがあった。いつも匡が見ているファイルだ。
「勝手に漁っちゃだめでしょー次郎。とりあえず居間行って。」