第4章 第三話
「ん~桃やっと来た~おっそ~い!」
先々代に呼ばれていたらしい。
「桃、お帰りなさい。」
やっぱりあやめは綺麗だ、と蘭は思った。
「只今帰りました、あやめさん。」
桃はふわふわ系の可愛い女の子。ただ、怒らせると恐ろしい。そんなところを見たのは一度だけれど。
「ゆるい会話だなぁ二人とも。」
皆幸せそうだった。
「悠も十分ゆるいけどね。」
この中でつっこみは蘭しか居ない。
「あ、悠。令さん達匡さんのところ行く準備してたけど、荷作り終わったの?」
悠達、八大天狗はもうすぐ人間界の匡達の家へ行くのだ。
「あ。」
案の定終わっていない。
「そっか、もう明日だ。お見送り今しちゃお。」
蘭や桃は純粋な天狗ではないため、よっぽどのことが無い限り、公の場には行かないことにしている。