第4章 第三話
「じゃあ、行ってきます。」
悠は部屋を出て行った。皆は何も言わずにただ見ていた。
「寂しくなるのね…」
あやめが少し悲しそうだった。それはそうだ大好きな令に会えなくなるのだから。
「大丈夫ですよ、僕と蘭が居ますから。」
桃だって悠に会えないのは寂しいに決まっている。
「あたしも桃も半分幽閉状態だけどね。」
蘭はこそこそ暮らしている。あまりにも不自由がなさ過ぎて忘れかけていた。
「もう、しばらく会えないんですよね…」
なんだかしんみりしてきた。
「本当、寂しいわ…」
ぼそっとあやめがつぶやいた。
「三人も居るって。」
「三人しか居ないです。」
「三人だけなのね…」