第2章 *命日
がさり。
腕の中の花束の包装紙が、そんな音を立てた。
まだ朝だからなのか、商店街はあまり人がいない。
……それは、あまり人と関わりたくない私にとって、すごく好都合だった。
だって、誰もがこう囁いてる気がするの。
……あの子が死んだのは、お前のせいだろ?
なんてね。
こんなの、ただの被害妄想。
……くだらない。
幾つも並んだ墓石。
その中を、私は躊躇うことなく進む。
そして、あるお墓の前で、私は足を止めた。
……なんか、久しぶりな気がする。
そう思いながら、私は希美のお墓に、花を供えた。
花は、希美の好きだったジニア。
花言葉も良かったので、迷わず決めた。
包装紙の色は、希美が好きだった水色。
……依存しすぎか。希美に。
ふと。
私の視界を、何かが掠める。