• テキストサイズ

真逆な彼女

第5章 君しか要らない


「杏子〜、彫刻刀貸してー」
 憂鬱な数学が終わり、お茶を口に含みさぁそろそろ会いにいくかと思った時、成海は来た。
「ん、へい」
「ありがと〜」
「いえいえ〜」
 物を借りに来てくれたことはとても嬉しい。いつ借りるのは自分ばかりだし、頼ってもらえること自体あまりないからだ。だが、この休み時間は話せないのかと思えば少し複雑な気分になる。
「んじゃ、次の時間返しに来るわ」
 そう言って教室を出る彼の背をずっと眺めていたかった。
/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp