第5章 君しか要らない

　なんか最近色々あったなー。
　意味のわからないまるで暗号のように並べられた数学の教科書の問題を眺めながら思い返した。
　愛佳と絶交してまうとか思ってもみんかったし(一方的に絶交したんやけど)紗綾に告られてキスしてまうとか何やってんだろ本当。
　はぁと溜息をつき、時計を見た。
　休み時間まであと二十五分ほどか。成海に会えるまであと二十五分。
　気を抜いた瞬間、シャーペンの芯が折れた。