• テキストサイズ

Orange【黒子のバスケ/短編集】

第2章 さよならも言えずに【火神 大我】


あいつが死んだと知ってから2週間が過ぎた。





あの日から2週間。

冬休みが始まる前となんら変わりない日常があった。


いつも通り授業はだるくて、

いつも通り二時間目の後に早弁して、

いつも通り昼飯は黒子と食べて、

いつも通り睡魔と戦いながら午後の授業を受けて、

いつも通り全力で部活をして、

いつも通り通学路を歩く。





あの日から2週間。

オレの中で変わったことがいくつかあった。


授業中、うるさいと注意されることがなくなった。

惣菜パンばかりの袋の中からシュガーデニッシュがなくなった。

昼飯を食べながら、クラスの女子と楽しそうに話すあいつの声が
きこえなくなった。

授業中眠って怒られるのは、オレひとりになった

部活中、先輩に注意されることが増えた。

部活終了後、身長に合わないサイズのラケットバックを背負った
あいつが待っていることがなくなった。





こんなにも変わったことばかりなのに、
無情にも時間はいつも通りに流れていく。


/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp