第2章 さよならも言えずに【火神 大我】
四時間目は体育。
体育館を半分ずつつかい、
男子はバスケ、女子はバレーボールをする。
バスケと聞いて嬉しいはずなのに、
なぜだかテンションが上がらない。
ため息をつきながら準備運動をはじめた。
ふと女子の方を見ると、
あいつが抜けたことで奇数になるらしく、
どこが三人組になるのかで軽くもめていた。
いつもなら、
きゃーきゃー騒ぐ声のなかから
喜んだり、応援したりする、
楽しそうなあいつの声が聞こえるのに。
ちらりと男子の方を見て、
シュートを決めたオレに手を振るあいつがいるのに。
そっか、あいつ、もういねぇんだ。