第2章 君 の 存 在 .。
涼介「…あれ、おかしいな」
もうすぐ次の授業なのに
彼氏と2人で教室を抜けてから戻ってこない
…何でだろう、胸騒ぎがする。
まだクラスがざわついている中
クラスメイトの人混みを掻き分け
君を探しに教室を飛び出した。
宛もなく教室を飛び出したけど
案外すぐに見つかった
廊下の片隅で2人で話をしてる
反射的に思わず陰に隠れた。
表情から読み取ると 楽しげな話ではない。
ここからだと 何を話しているのか全く聞こえず、いくら聞き耳を立てても無理だった。
その刹那______
ぱしん……っ
乾いた、軽い音が響いた。
俺は見たものが信じられなかった。
彼氏が
彼女の事を 平手打ちするなんて………
彼氏の方はイラつきを抑えられないまま
○○を置いて歩いて行ってしまった。
怒りに我を忘れていて
俺がいることなんか気付かずにすたすたと
足早に現場を去った。
そのまま廊下に泣き崩れる君…。
駄目だって 分かってた
このまま あの子の元へ行けば
自分の気持ち 抑えられなくなる事くらい
…分かっていた
でもさ、あんなの見て
我慢なんて 出来るわけないじゃん
涼介「…○○」
泣き崩れている君の肩をそっと叩き
俺もしゃがみこんで目線を合わせる。
○○「りょ…すけ…くん、?」
きょとんとした顔。
泣いているのを見られるのが嫌なのか
必死に目をこすり、笑おうとするが ぎこちない。
馬鹿だな。
無理に笑うなよ…。
涼介「こっち、来て」
ゆっくり立たせてやり、腕を掴んで
そのまま走り出した。
○○「え、ちょ…」
一緒にいるところを彼氏に見られるとマズイから
場所を移動したのもあったけど
本当は
少しでも、一瞬でもいい
君を、独占したかった______