第3章 秘 密 .。
「終わった~」「帰ろ~!」「部活行こうぜ!」
やっと勉強から開放された放課後。
特に部活にも入らない俺は
ただ帰るだけ。
「涼介 じゃあな~」 涼介「おう、また明日」
だんだんと教室にいる人が減ってきた。
俺だっていつもはこのまま帰るだけ
でも…今日は違う。
ここまでずっと我慢してたけど
やっぱり、もう少しいたい…。
我が儘だけど、もう一度だけ______
ガラガラ…
裕翔「○○。帰ろ。」
訝しげな表情を浮かべつつ
アイツが迎えに来てしまった。
このあと2人で帰るんだ。
…はぁ。思わずため息が漏れる。
仕方ない。帰るか______
○○「…ごめん、今日友達と約束があるの。」
…え………?
いつも絶対に断らない君が
珍しく、迎えを断った。
一気に空気が張り詰める。
裕翔「…ちょっと来て。」
腕を強く掴み、そのまま引っ張っていこうとする。
ものすごい力で
○○「痛い…っ、離して裕翔…っ!」
裕翔「いいから来いって!」
ばしっ…
涼介「離してやれよ。嫌がってんだろ」
限界だった
これ以上耐えられない
○○「涼介くん…」
裕翔「は?お前誰だよ」
涼介「誰だっていいだろ。○○のクラスメイトだよ。」
裕翔「お前には関係ないだろ」
涼介「どう考えたって○○嫌がってんだろ。彼氏ならもうちょっと気持ち考えてやったらどうなの。」
…ちょっと言い過ぎたかな
少しでしゃばりすぎたかもしれない
でも、俺のその一言で
ピタリと黙ってしまった。
裕翔「…ごめん、○○…今日は、別々に帰ろ」
さっきとは人が変わったように
大人しく帰っていった。
涼介「なんなんだよ、一体…」
○○「涼介くん…また助けてくれたね」