第4章 確信
「......。」
「なぁ藤ヶ谷......」
「何だ......」
「ユリは、お前が人狼っていう事を分っているのか?」
太輔は首を横に振り...
「いや、きっと解っていない。自分自身が、人狼だという事も......」
「......事件のショックか?」
「もし、関連していれば可能性は十分にある。
幼い子って、敏感だからね.......」
「......なら、いつかは思い出すのか?
自分が人狼だっていう事も......」
「その時は、必ず来ると思う......。」
「俺の事も、忘れるのか?」
「......それは彼女次第だ。
でも、ユリちゃんがお前を忘れるなんてありえないと思っている......。」
「......。」
「なに......お前は、彼女を信じていないわけ?」
「っちげぇよ!」
宏光は勢いあまって席を立つ。
「......。」
「俺は、ユリを信じてるよ......っでもよ!
不安で、仕方ねぇよ......」
「お前は、親馬鹿だしな......」
「っうるせぇよ......」
「でもユリちゃんはいつか......
森に返さないといけない日が、来るかもしれない......」
「っ......は?」
「いくらなんでも彼女でも、徐々に思い出していくと思う。
そして、全ての記憶が戻った時......
彼女が本来生まれた場所に返す日が......」
「っそれは!.....あくまでユリが姫だったらの、話だろ?」
「......姫かは別として、純血種人狼なら、森に返すのが適格だ......。」
「っなんで......」
「さっきも言っただろ?特に純血種は人間を嫌うっていう事......」
「......。」