第4章 確信
「あの事件......」
「......。」
「俺がやったんだよ......」
「っ!?」
(っ今藤ヶ谷なんて......)
「我を忘れて、一人の人間を噛み殺した......狼の姿で......」
「っおい......何かの勘違いだろ?
お前が、人殺しn..「あれは俺だ。」......」
「俺が人間の姿に戻ってみたら......俺は血まみれだった。
そのすぐ傍にいた人間も...っえげつねぇ状態だったんだ......。」
「っ......」
「何で俺はあの時、感情が高ぶったのかはわからない......」
「っそれも、一時的な記憶がねぇから?」
「......そうかもしれねぇ。でも、すぐ近くに小さな子供がいたんだ......。」
「もしかしてお前は、その子を助けるために?」
「......わからねぇ。」
「でもその可能性はあるだろ?」
コクッ
「身体も震わせていたからな......」
「その子って一体......」
「多分、女の子だったような気がする......でも......」
「でも......?」
「あの時の子、今思えば......
ユリちゃんに似ていたかもしれない......」
「っ......」
(ユリに、似ている......?
確かに5年前なら何となく当てはまる......
それにユリは、藤ヶ谷に対して安心感も覚えていた......
あれは、
ただ同じ人狼だったから?
それとも......
5年前助けてくれたのが、藤ヶ谷だったからか......?)